美容師×ヘアメイク=ヘアメイク師が、ディレクションから撮影まで行うショートドラマ。今回公開した動画は、『夢か現か』です。
脚本を渡されたヘアメイク師は、物語の内容からどんな背景を読み取り、登場人物のキャラクターをどのようにヘアメイクで表現しているのでしょうか。テクニックはもちろん、技術者としてヘアメイク師が行った分析のプロセスや表現の仕方をまとめました。
コンテンツ
<物語の概要>
同じ職場の店長と隠れて付き合っている“雅紀”と、そんな2人の関係に気づいている後輩“美月”の物語。美月からの甘い誘惑は、雅紀の見た夢か現実か?ちょっぴりキケンなラブストーリーです。
<登場人物別ファッション・ヘアメイク解説>
今回『夢か現か』に登場する人物とそのキャラクター、担当した役者さんをご紹介するとともに、ヘアメイクを解説します。
雅紀役:小包ハヤテ
小包ハヤテさん演じる雅紀は、同じ職場の店長と恋人関係にありますが、仕事のこととなるとやはり上司に当たるので、休日出勤させられることに反抗もできないちょっと尻に敷かれがちな男です。美月から好意を寄せられていますが、全然気づいていません。
<作品全体を通したヘアのポイント>
前の作品(とらぬ狸の皮算用)ですでにセットしていたので、まずドライヤーを使ってカールを緩めて、襟足は前回の外ハネを抑える感じで首に沿うようなセットにしました。
<作品全体を通したメイクのポイント>
まず、前の作品の最後に汗の演出で顔に水をかけたので、顔の水分をティッシュでオフしてから始めました。この工程でベースメイクが落ちてしまっているので、基本的にベースメイクのお直しをメインにしました。前回の作品はキャラクターのイメージ的に骨格がはっきりした印象でノーズシャドウなどを濃いめに入れましたが、今回の作品では少し鈍感な感じのキャラクターだったので、あまりノーズシャドウなどの陰影は強くせず、前回の残りをパウダーでぼかしてみました。
美月役:前本彩乃
前本彩乃さん演じる美月は、店長と雅紀が付き合っていることを知って、雅紀を自分のものにしようと誘惑している人物。自分のお気に入りは自分だけのものにしたいワガママ的な性格と、男性に対する小悪魔的な魅力が特徴です。
<作品全体を通したファッションのポイント>
仕事がお休みの日の設定なのでかっちりしすぎず、かといってダル着のようにゆるすぎず、意識高めの女子をイメージして衣装を決めました。
<作品全体を通したヘアのポイント>
全体を緩く巻いて女の子らしい可愛い雰囲気に仕上げました。
<作品全体を通したメイクのポイント>
仕事がお休みの日の設定なので、全体的にナチュラルメイクにしました。脚本のイメージから口元の印象がとても強かったので、濃いめのリップで強調しました。
ディレクションから撮影まで!幅広いスキルを持つヘアメイク師
脚本から読み取ったストーリーや登場人物のキャラクターを、どのように表現しているのかご紹介しました。ショートドラマの世界観を作り上げるために、ヘアメイクやファッションに込められた意図がたくさんあることがわかりましたね。
ヘアメイク師についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【夢か現か】撮影協力
<脚本>
池田剛
https://youtube.com/@karusu1
https://twitter.com/Kouki_Birth
https://instagram.com/heiz_go/
〈出演〉
雅紀役:小包ハヤテ
https://x.com/engekihaya8330
美月役:前本彩乃
https://x.com/aisubeki_ningen
<ヘアメイク、ディレクション、撮影、編集>
株式会社芭里絵(https://varie-group.jp/)
株式会社カプラス(https://www.kaplus.jp/)
<撮影協力>
株式会社芭里絵(https://varie-group.jp/)