時代背景やストーリー、人物自身の性格など、さまざまな意図が込められ作られている映画ヘアメイク。本記事では、2000年代ニューヨークを舞台にした『プラダを着た悪魔』の登場人物、主に主人公であるアンドレア・サックス(=アン・ハサウェイ)の変化していくファッション・ヘアメイクを分析していきます。他にもNYのファッション誌で働く何人かの登場人物をピックアップしてオシャレで刺激的なファッション・ヘアメイクの分析をしてみるので、ワクワクすること間違いなし是非一緒に楽しみましょう!
コンテンツ
あらすじ
一流のジャーナリストを夢見てニューヨークにやってきたアンディはの一流ファッション雑誌「ランウェイ」編集部の面接を受け、アシスタントとして採用された。ファッションに興味がない地味なアンディは業界のカリスマのミランダから悪魔のように日々理不尽な要求やハードな仕事を任せられ、疲れ果てる。しかし、アンディは悪魔に負けず一流のジャーナリストを夢見てミランダに認められ信頼を勝ち取ろうとファッション・ヘアメイクとともに成長していく物語。
主要人物1 : アンドレア・サックス(俳優アン・ハサウェイ)
夢は一流ジャーナリスト
ファッションに興味がなく、着るものなんて気にしない知的で真面目な性格。ファッション誌に働くからと自分を変える必要はないと思っている。
・ヘアスタイル
髪は艶のないボザボサ頭。前髪は真ん中で分けただけのヘアスタイル。
・メイク
基本的にナチュラルでコーラルのリップにチーク。優しいふんわりとしたメイク。
・ファッション
ブルーのシャツの上にブルーのセーター。ファッションの色はダークブラウン、グレーなど。基本的に落ち着き地味な色が多い。
主要人物2 : ミランダ・プリーストリー(俳優メリル・ストリープ)
一流ファッション誌『ランウェイ』の編集長
業界に絶大な影響力を与え、業界でも恐れられている人物。「ミランダのアシスタントを1年務めれば、どんな仕事にもつけるようになる」と言われている。女性の憧れの仕事。
ミランダの理不尽な要求にすぐアシスタントが辞めてしまうほど悪魔のような気の強い性格。
・ファッション
ゴージャスな服装、ゴールドのアクセサリー。大きめなピアスに大きめのネックレス。時々ゴールドの大きめのサングラス。
・ヘア
前髪を立ち上げた、全体的ににカールのある流れるスタイル、シルバーの髪色で憧れる存在を表している。
・メイク
ベースはマット。眉毛は上昇眉で知的に。アイシャドウは紫やグレー。落ち着きもあり鮮やかさもある色、アイホールは薄くアイホールの外側を濃くしてクールで鮮やかな色を入れてエレガントさも出している。
主要人物3 : エミリー(俳優エミリー・ブラント)
ミランダの第1アシスタント。気が強く、意地悪な性格。アンディの地味でダサいファッションをいつも嘲笑っていた。
・ファッション
細身の引き締まったラインの出るファッションが多い、色は暗めで大人っぽさ、女性の強さを表している。
・ヘア
前髪は流し、ストレートに毛先はウチにカールして可愛い印象ではなく外ハネでクールな印象に。
気の強いテキパキしたような印象を与えている。服が落ち着いた色が多いので、髪色のオレンジでファッション誌で働く派手さを出している。
・メイク
鮮やかなブルーやグリーンをアイホール全体に一色を塗っている。クールな印象になるように目尻は跳ね上げている。
アイラインは黒で目頭から目尻まで引き、目尻は跳ね上げ、下瞼までガッツリ引いたり、目尻側だけ少し引き強い女性を表現している。
リップはヌーディーなリップ。
“アンディのファッションとヘアメイクの変化”
仕事でミスを犯し、ミランダに追い出されそうに。ナイジェリアの元に行き、愚痴不満をこぼした。
するとナイジェリアがアンディにファッションを教え、美容部に行ってヘアメイクも施してもらう。
見違えるほどファッションとヘアメイクで変身したアンディに皆が注目する。
ミランダも見違える彼女の姿に驚きを隠せなかった。このシーンは心情も大きく変化していて、自分に自信がついた、余裕のある歩き方。
アンディはファッションに興味を持ち、みるみるうちに一流のファッションとヘアメイクを学び、外見も内面も成長していく。
・ファッション
シャネルなどのブランドを身につけた。シックなファッションや鮮やかなコートを取り入れたシーンもあり。アクセサリーもピアスやネックレスなど大きく、ゴールドやシルバーが多い。素材は上質でレザーのジャケットなど。
ブーツもレザーのロングブーツ、ハイヒール。帽子もかぶり、ブランドもののカバンも持ち歩く。まさにファッション業界で働く人のように。
・ヘア
前髪は割れ目は直され下ろしたスタイル。髪の毛は艶のあるしっかり手入れされた髪質。ストレートでレイヤーを入れた、毛先はワンカールで綺麗で優しい印象。
・メイク
黒のアイラインで目頭から目尻まで引き、下瞼も黒のアイシャドウで囲む。アイシャドウの色は落ち着いた、ブラウン、レッドブラウン系。リップはベージュ系、チークもコーラル系で落ち着いた大人っぽい印象。
パーティーのシーンではハイライトしっかり入れつつ鮮やかなリップで鮮やかでゴージャスな印象を引き立てている。リップやベースはマットな質感。ドレスも次第に胸元が開き、セクシーな大人な女性に。
まとめ
もともと好きな映画で何度か視聴していましたが、改めてファッションやヘアメイクの楽しさを感じました。
地味でファッションに興味がない主人公が努力し、必死にしがみつき成長していき信頼を勝ち取っていく姿に感化され、でもこのハードなファッション業界に身を置くのではなく本当に自分のしたい夢を思い出し、自分らしい人生を取り戻すところに感動しました。仕事ばかりではなく、周りの友達、家族と関わり自分の幸せな人生を歩むことが大事だと思わせてくれる映画でした。