時代背景や、ストーリー、登場人物の性格など、様々な意図が込められて作成されている映画ヘアメイク。本記事では、ニューヨークを舞台とされている『マイ・インターン』の登場人物、主に主人公であるジュールズ(=アン・ハサウェイ)のファッションやヘアメイク、他にも何名かの登場人物をピックアップして分析していきます。
コンテンツ
マイ・インターンのあらすじとピックアップ人物
アパレルサイトを運営する会社のCEOとして、何百人もの社員を束ねるジュールズ。そんな彼女の会社に、シニアインターン制度によって採用された70歳のベンが新人としてやってくる。人生経験が豊富で穏やかな人柄のベンは徐々にみんなと信頼関係を築いていく。
登場人物①ジュールズ(=アン・ハサウェイ)
アパレル通販サイト「ABOUT THE FIT」の創立者で経営者。そして一児の母。
CEOとして一生懸命仕事に向き合うキャリアウーマン。しかし、毎日仕事に追われ視野が狭くなり周囲からは恐れられる存在になってしまう。ベンとの出会いをきっかけに仕事とプライベートを見つめ直し、成長していく。
登場人物②ベン(ロバート・デ・ニーロ)
シニヤインターンでジュールズの会社に入社。ジュールズ直属の部下。
長年電話帳制作会社に勤務。70歳になっても常に向上心を持ち続け挑戦を続ける堅実で、常にスーツ姿の真面目な性格。優しく、穏やかな人柄はジュールズだけでなく周りに影響を与えていく。
登場人物③ マット(=アダム・ディバイン)
ジュールズの夫。マーケティング会社をジュールズが会社を立ち上げたことから辞職し、専業主夫に。
優しく、温厚で家族思いの性格だが、ジュールズの仕事とプライベートのバランスに不満を抱える。
登場人物③ベッキー(クリスティーナ・シェラー)
ジュールズのアシスタント。
山積みの仕事を休まずこなす一生懸命な性格。感情の浮き沈みがあり少し子供っぽい一面も。ベンの助けもあり徐々に成長していく。
ジュールズ|ヘアメイク・ファッションポイント
ファッションのポイント
アパレルブランドのCEOということもありカラー要素も取り入れたジャケットスタイルが多め。
アクセサリーはゴールドの細いチェーンネックレスや小ぶりのゴールドピアス。そして、キャリアウーマン感を引き立たせる時計は必ず身につけている。そこからも時間厳守できびきびと行動するジュールズのスタイルが読み取れる。
劇中前半では、周囲から距離を置かれ、周りを見れず仕事に追われるジュールズ。その時のファッションは赤や黒といったはっきりとしたカラーを取り入れたファッションが多く、ピンヒールでクールな印象。
劇中後半からは、ベンからサポートがあり仕事とプライベートを見つめ直し、周囲からの信頼も取り戻し人柄も穏やかになったジュールズ。服装もジーンズやヒールのないローファーやスニーカーが増え、色合いも淡い色を取り入れているところからジュールズの心情の変化が読み取れる。
ヘアのポイント
比較的ダウンスタイルが多め。ストレートかカールスタイル、アップスタイルも見受けられる。元々の癖毛やブラウンヘア活かした雰囲気が元々のジュールズのお茶目な性格を表しているのではないでしょうか。
メイクのポイント
引用 : https://safarilounge.jp/online/fashion/column/detail.php?id=6383
全体的にはベージュ要素のあるナチュラルなメイクだが、鋭角眉がキャリアウーマンを引き立たせている。また、劇中前半では赤いリップを使用していたが、ジュールズの心情の変化とともにリップもベージュ系のカラーを使用されていた。
ベン|ヘアメイク・ファッションポイント
ファッションのポイント
基本仕事はスーツ姿。そこからベンの堅実さが読み取れる。
また、スーツも全て同じではなくグレーや茶色のジャケットやシャツ、ネクタイにも遊び心が見受けられる。そこからベンの70歳になっても挑戦し続けるユーモア溢れる心情が読み取れる。
ヘアのポイント
グレーヘアの七三分け。常に長さも整えられており綺麗にセットされているところからマメな性格が読み取れる。
メイクのポイント
常に理容室へ髭を整えに行くベン。しっかりとベースが整えられているメイクアップ。
マット|ヘアメイク・ファッションポイント
ファッションのポイント
カジュアルスタイルが多め、ニットやシャツ、ジーンズなど。家のシーンでのスウェット姿や、朝のシーンの寝癖がついているところからマットの抜けたところが読み取れる。
ヘア、メイクのポイント
無造作なノーセット。癖毛を活かしたヘアスタイル。
メイクは髭を剃らずそのままなところから専業主夫として家にいる様子が伺える。
ベッキー|ヘアメイク・ファッションポイント
ファッションのポイント
カラー要素の多い華やかなスタイルが多め。柄物なども取り入れるところからベッキーの若々しい性格が読み取れる。しかし、劇中のベンが同じくアシスタントをすることが決まった時の気持ちが少し沈むシーンではグレーが基調となったファッションで心情の変化を表している
ヘアのポイント
劇中前半では、重め前髪にハイポニーテール。ベンがアシスタントに加わり余裕が出て仕事も上手く行き始めたベッキーはダウンスタイルの大人っぽい雰囲気に。
メイクのポイント
ナチュラルメイク。マスカラでしっかりとまつ毛にボリュームを出すことでアイラインは長く引かず、アイシャドウも薄くワンカラーなのが特徴。あまり手の込んだメイクアップでないところから仕事の多忙さが読み取れる。
まとめ
改めて詳しく分析しながら鑑賞することで、ヘアやメイク、ファッションまでもがキャラクターの性格やそのシーンの心情に合わせて作られているのがとても分かりやすく作られていました。ニューヨークのアパレルサイトが舞台になっているので、細かなところが凄くお洒落なアレンジが含まれており、ヘアメイクやファッションに注目することでより作品への理解が深まる映画だと感じました。
このように、ただ観るだけでも楽しいですが、少し視点を変えて鑑賞することでその映画が公開された時々のヘアメイクやファッションも楽しむことができるので、皆さんもぜひ注目しながら作品を見てみてください◎