美容師×ヘアメイク=ヘアメイク師が、ディレクションから撮影まで行うショートドラマ。今回公開した動画は、『すいみん籠城』です。
脚本を渡されたヘアメイク師は、物語の内容からどんな背景を読み取り、登場人物のキャラクターをどのようにヘアメイクで表現しているのでしょうか。テクニックはもちろん、技術者としてヘアメイク師が行った分析のプロセスや表現の仕方をまとめました。
コンテンツ
<物語の概要>
桜月の家に遊びにきた充。働き詰めでお疲れの桜月に差し入れを!
仲良く話してくつろいでたその矢先、充に起こる悲劇とは…?
|登場人物別ファッション・ヘアメイク解説
今回『すいみん籠城』に登場する人物とそのキャラクター、担当した役者さんをご紹介するとともに、ヘアメイクを解説します。
充(栗栖渚 @nagisa_kusisu)
栗栖渚さんが演じる充は、働き詰めの桜月を想って、差し入れを持って家を訪れてくれる友達思いな優しい人物。明るく爽やかなイメージです。
ファッションポイント
ふらっと遊びに来た感じなので、気合が入りすぎていないシンプルな格好になるよう衣装を組みました。
メイクポイント
清潔感がある爽やかな印象になるように、ナチュラルにベースとアイブロウを整えました。お腹を壊しているシーンでは、切羽詰まった感じが出るように、体調が悪い時の冷や汗をかいた状態を再現しました。
ヘアポイント
ファッションを考える時と同様に、決めすぎていない印象にするために無造作ヘアにしました。それでも、爽やかで清潔感がある感じも大切にしたかったので、寝癖には見えないようにシルエットを整えたのがポイントです。
桜月(樋郡めぐみ @megumi_higoori)
樋郡めぐみさんが演じる桜月は、週休2日の制度に文句を言いつつも、サボらずしっかり作業に取り組む真面目で仕事熱心な人物です。一方で、仕事に集中するあまり他のことには手が回らなくなるズボラな一面もあります。
ファッションポイント
連日の仕事で疲れ切っていて、外に出ることも誰かと会う気もない(誰かと会うにしても外見を整える気力もない)桜月の様子を表すために、着れればなんでもいいやと選んだようなTシャツとジャージにしました。裾をたくしあげているのもポイントです。
仕事中に邪魔になる前髪はヘアバンドで上げて、コンタクトではなくメガネで作業しているのも、徹夜している人の感じを出すために取り入れました。
メイクポイント
連日部屋の中にこもりっきりで仕事をしているので、メイクは元の肌トラブルを軽く隠す程度でほぼすっぴんを演出しています。トイレに籠城する前は睡眠をとっていないので目の下にクマを作り、寝不足を表現しました。トイレで寝て起きた後は多少スッキリしているので、目の下のクマはない状態です。
ヘアポイント
前髪は手間をかけずに顔周りの毛を上げられるヘアバンドを使って、桜月のズボラさと連日の仕事で疲れ切っている様子を表現しました。また、アイロンやドライヤーなどの熱処理をしたりスタイリング剤をつけたりせず、手入れされていない無造作なボサボサ感にこだわりました。
ディレクションから撮影まで!幅広いスキルを持つヘアメイク師
脚本から読み取ったストーリーや登場人物のキャラクターを、どのように表現しているのかご紹介しました。ショートドラマの世界観を作り上げるために、ヘアメイクやファッションに込められた意図がたくさんあることがわかりましたね。
ヘアメイク師についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【すいみん籠城】撮影協力
<脚本>
池田剛
https://youtube.com/@karusu1
https://twitter.com/Kouki_Birth
https://instagram.com/heiz_go/
〈出演〉
充役:栗栖渚
https://twitter.com/NagisaKurisu
https://www.instagram.com/nagisa_kusisu/
桜月役:樋郡めぐみ
https://twitter.com/nachure_m
https://www.instagram.com/megumi_higoori/
<ヘアメイク、ディレクション、撮影、編集>
株式会社ヴィサージュクリエーション(https://visage.co.jp/)
Wish Group 株式会社(https://wishgroup.jp/)
株式会社カプラス(https://www.kaplus.jp/)