脚本を渡されたヘアメイク師は、物語の内容からどんな背景を読み取り、登場人物のキャラクターをどのようにヘアメイクで表現しているのでしょうか。テクニックはもちろん、技術者としてヘアメイク師が行った分析のプロセスや表現の仕方をまとめました。
コンテンツ
<物語の概要>
ある日ヘアメイク師の沙綾がサロンに出勤すると、大泣きの後輩 莉緒がいた。泣いている理由を聞くと、仕事とプライベートの両立が難しく自信が持てないらしい。
沙綾が涙で崩れた顔の莉緒にヘアメイクをしてあげる。先輩のメイクで莉緒の顔には笑顔が戻った。
これで一安心と思った矢先、沙綾のスマホに一通のメールが届き、沙綾の顔が曇る。
果たして2人が笑顔になれる瞬間はくるのか?!
登場人物別ファッション・ヘアメイク解説
今回「Returner」に登場する人物とそのキャラクター、担当した役者さんをご紹介するとともに、ヘアメイクを解説します。
後輩ヘアメイク師:莉緒(根本流風 @neeeruuu)
沙綾の後輩ヘアメイク師。沙綾を慕っている。
ファッションポイント
可愛らしい人懐っこい子を連想できるようにスカートにして、カジュアルになりすぎないようにしました。
ヘアポイント
ヘアメイク師ということで、セットはするけど頑張りすぎてないようにする為、巻き下ろしにしました。
メイクポイント
泣いてしまってメイクが崩れているのを再現する為にアイラインを滲ませ、目の下を黒くしました。また、鼻にもチークを入れ泣いて見えるようにしました。その後のメイクでは黒くなっている部分を取り除き、可愛らしい目元を強調出来るようにしました。
先輩ヘアメイク師:沙綾(泉見優羽 @yuwa_nonno)
ヘアメイク師のリーダー。莉緒の頼れる先輩。
ファッションポイント
ワックスとオイルを混ぜて、束感が出るようにスタイリングしました。また、トップにボリュームが出るようにアイロンを入れました。
ヘアポイント
メイクをするシーンがあったので、実際の撮影現場に参加するヘアメイクスタッフを意識して、上下黒で合わせました。シャツのボタンは閉めずに白を見せることで、重くなりすぎないようにしました。
メイクポイント
・メイクが涙で崩れる前
全体的にはっきりとわかりやすい色使いにしました。チークを広めに塗り血色感がわかりやすいようにしました。
・メイクが涙で崩れた後
泣いて崩れたメイクを表現したかったので、グロスを目元に使用し、涙で濡れている感じを出しました。そこに黒のアイシャドウをのせて、アイラインやマスカラが落ちている感じを出しました。
ディレクションから撮影まで!幅広いスキルを持つヘアメイク師
脚本から読み取ったストーリーや登場人物のキャラクターを、どのように表現しているのかご紹介しました。ショートドラマの世界観を作り上げるために、ヘアメイクやファッションに込められた意図がたくさんあることがわかりましたね。
ヘアメイク師についてもっと詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
【Returner】撮影協力
<脚本>
池田剛
https://youtube.com/@karusu1
https://twitter.com/Kouki_Birth
https://instagram.com/heiz_go/
〈出演〉
莉緒役:根本流風
https://twitter.com/neeeruuu
https://www.instagram.com/ruka_nemoto_official/
沙綾役:泉見優羽
https://twitter.com/yuwa_nonno
https://www.instagram.com/yuwa_nonno/
<ヘアメイク、ディレクション、撮影、編集>
坂本りんな @linna.sakamoto
近藤李香 @mo.mo0428
山口愛夏
<撮影場所>
abie hair 西大島店(https://www.abie.jp/)